ガンジス川では寄付爺さんに気をつけろ!
ガンジス川はいままでの罪を全て洗い流してくれるといわれていて、神聖な場所として多くのインド人がそこで沐浴やお祈りをする。
さらには亡くなった人を流すのもこのガンジス川だ。天寿をまっとうした人は川辺で燃やされガンジス川に流す。病気や事故で亡くなった人は燃やされずにそのまま流される。
ガンジス川の水を全て抜いて底を見たら...
想像しただけで恐ろしいですが、インド人にとってはガンジス川に流されはことは何よりも嬉しいことなのだそうだ。
お風呂代わり、スイミングに、洗濯物を洗いに、沐浴に、死体を流しに、なんでもありのガンジス川。眺めているだけでも面白いし、何か強い力を与えてくれる。
良いところなのは確かだ。
しかし、タイトルにもある通り、寄付して爺さんには気をつけろ!
これは僕がガンジス川で死体が燃やされていくのをただひたすら眺めていた時の話。
突然インド人の爺さんが話しかけて来た。
爺さん: 良いところだろ?俺はここの敷地のオーナーだ。よろしく。
僕: そうなんだ
爺さん: ここの死体を燃やす木は全部寄付でもらったお金で買っている。だからお前もいくらか寄付してくれ。
僕: ということはあそこで燃やしている人はあなたの従業員?
爺さん:そうだ!だから早く寄付してくれ
僕:じゃあ聞きに行ってくる
爺さん:待て!仕事中に声かけるな!
僕:あなたは従業員ですか?
インド人A: .....??
爺さん: あれは遺族だから遠くから来てて英語が通じない
僕:じゃあ従業員どこにいるの?紹介してよ
爺さん: 今、薪を買いに行ってるからいない。早く寄付してくれ。俺は有名だから信用しろ
僕:ねえおじさんたち。この人有名なの?
近くでニタニタ見てたインド人:(なにやら爺さんとヒンドゥー語で話した後に)そうさ!有名さ!
僕:(絶対こいつら話し合わせてんだろ。。)まじか。じゃああそこにいる人にも聞いてきてみるね。
話を合わせさせないように離れたところにいる背の高いインド人に声をかける。
僕:ねえ、ここの敷地のオーナー誰?
背の高いインド人:ああ!俺だよ
僕:ここのオーナーはあなただけ?
背の高いインド人:もちろんだ
僕:え、さっきあそこにいる人がオーナーって言ってたよ?
背の高いインド人:(振り返り大声でヒンドゥー語で爺さんと話を合わせる)あいつはブラザーだ!!共にここのオーナーだ!
僕:ブラザーなんだ。じゃああの人何歳か知ってる?
背の高いインド人:いくつだと思う?
僕:50歳くらい
背の高いインド人:その通りだ!50歳だ
僕:違うよ。さっき58歳って言ってたよ。さっき聞いたもん。
背の高いインド人:(._.)
爺さんも駆け寄ってくる
僕:ねえ、二人とも嘘ついてるでしょ?ブラザーじゃないでしょ?
爺さん:もういいあっちに行け!
僕:なんでよ!!
嘘ついてることを認めてもらおうと、しつこく声をかけてたら突然爺さんは大きな石を拾い上げ投げようとしている!!
やばい!逃げろ!
そう思いその場から立ち去った。
20メートルくらい走って逃げて、売店の前に来た。慌てた様子でいると髭を生やした男が声をかけてきた。
髭男:どうしたの?
僕:あそこの二人に嘘をつかれたんだ。ところでここの敷地のオーナーは誰?
髭男:ああ、俺だよ。貧しい人に与えるヘルプマネーをくれ。
僕:え、あいつらも同じこと言ってたよ。
髭男:あいつらは嘘つきさ。俺が本当。信じてお金を渡せ。
僕:それにヘルプマネーはさっきの人にあげちゃった。
髭男:俺にも別で渡さなければいけない。
僕:ごめんよ、バイバイ
こんなやり取りをガンジス川沿いで行っていた。
嘘に嘘を重ねややこしくなった挙句、石を投げてこようとする。それがここのインド人。
そもそもガンジス川のオーナーってなんやねん!!!
僕は英語が達者ではないが、これほどまでに口論が面白いと思ったのは初めてだ。
身なりや態度からして嘘を言ってることは最初からわかるが、それに付き合い、論破することこそガンジス川の醍醐味でもあるのではないかと思うので、寄付爺さんに会ったら是非バトルしてみてください!