人生最大の危機! 現金がない!
町の戻ってくるとチップを払うために銀行へ向かった。
とりあえずマイクのチップの言い値は300ドル
そのくらいの額を降ろそうといつも通り愛用のクレジットカードでキャッシングを試みる。
よしカード入れてボタンポチッ....
エラー このカードは使えません。
ん。おかしいぞ。もう一回カード入れてボタンポチッ....
エラー このカードは使えません
え!!!どうした!海外キャッシングができない!!
他のカードで試そうと思ったがそれも同様に使えない。
やばい!海外キャッシング利用額オーバーしたんだ。。
とりあえずインターネットあるところで解決策を見つけようと近くのインターネットカフェに連れてってもらった。
Wifiをつなげると1週間ぶりのインターネットで安否を確認するメッセージや応援のメッセージがたくさん送られてきていた。
しかしそれらを後回しにとりあえず母に電話をかけた。
「もしもし キリマンジャロ登ったよ!
それより大変だ。銀行でお金を〜〜」
とりあえず事情を説明して母からカード会社に連絡してもらおうと思ったが本人じゃないと全く受け付けてもらえなかった。(Wifiが繋がってるだけでは国際電話はできないので)
ならばLINE電話越しに電話で話してみるか。。
それともカード会社に頼み込むか。。
日本大使館でお金を借りるか。。
カード会社にそんなことはできないし、日本大使館も行ける距離ではない。
結局インターネットが通じても解決策が出ないままツアー会社に戻ることに。
ツアー会社の人にも事情を説明して、ガイドやポーターたちには明日の昼までには何とかするから待ってて欲しいと頼み帰ってもらった。
とりあえず何とかするから。そう言ってホテルに帰った。
さあどうしよう。何とかすると言ったものの解決策はない。
ああ、こんなことならキリマンジャロ一緒に登った日本人と連絡先交換しておけばよかった。。
キリマンジャロ登頂の余韻に浸る余裕はなく焦っていた。
所持金はおよそ70ドル。日本に帰るフライトがケニアからなので、チップを払わず今夜夜逃げするか。そんなことも考えたがケニアに入るビザ50ドル。バスが20〜30ドル。ケニアに入る前のイエローカード発行15ドル。
ほとんどのお店がクレジットカード非対応のため今の所持金では国を渡ることはなかなか難しい。
とりあえずもう一度ツアーオフィスに相談しに行った。
行くと25歳カミルが対応してくれた。
このオフィスはカミルの父とカミルが取り仕切っている。
行った時間がお昼だったため昼食をご馳走になった。
今泊まっているホテルの宿泊料金も滞納している自分にとっては飯は貴重だ。
本当にありがたい。
飯を食べ少し冷静さを取り戻した。
そしてカミルにこんな提案をしてみた。
キリマンジャロに登る前にオフィスに払った現金を返してもらい、その分をカードで払わしてくれと。
実はキリマンジャロ登山の前日にツアー代として約360ドル分の現金をタンザニアシリングで払っていた。その分を返してもらえればチップも払える。
カミルは、
うちのオフィスにはカードで払う機械がないが、友達のツアーオフィスが持ってるから聞いてみるよ。
するとカミルはいろんなところに電話をかけてくれて事情を説明してくれた。
しばらくするとカミルの友達のツアーオフィスのオーナーが来て、車に乗って彼のオフィスに向かった。
オフィスに入るとカード決済の機械があった。
360ドルだが、銀行で現金に変えるため等の手数料で415ドルを払うことになってしまうが大丈夫かと言われたが現金が手に入ればなんでもよかった。
明日の夕方には現金を持って行けるからということでカミルのオフィスに戻った。
カミルはガイドのマイクにこれまでのことを説明してくれて明日の夕方に来てくれるそうだ。
なんとか窮地を出することができ、一安心。
さらにホテルに戻る途中ぶらぶらしているとなんとキリマンジャロで一緒だった日本人にばったり会った!
今日のことを説明すると
なんと彼は65ドル貸してくれた。
連絡先を今度こそ聞いて必ず返しますと約束し別れた。
次の日の昼過ぎにオフィスに行くとすでにマイクがいた。彼が果物の盛り合わせを食べていて一緒に食べろよって言って食べさせてもらった。果物の説明やタンザニアの話、お互いの家族の話をしていた。
しばらくすると昨日お世話になったカミルの友達が360ドルを持ってやってきた。
そして車に乗り近くの開放感のあるレストランに連れて来られ、そこでチップの受け渡しをした。
彼の元々のチップの言い値は300ドルだったが、250ドルに値下げしてもらった。
お世話になった人へのチップを値下げしてもらうというのはなんとも心苦しかったが、この後の旅を考えると仕方がなかった。
マイクがお会計を済ませ店を出た後、自分が注文した分のお金を渡そうとしたら彼は頑なに受け取ろうとしなかった。
帰り際ケニア行きのバスチケットを買えるところまで案内してくれて無事にケニア行きを買うことできた。
さらに両替やお土産選びにも付き合ってくれた。
オフィスに戻るとマイクがその場で登頂証明書に名前を書き渡してくれた。
本当に何から何までありがとう!
彼らがいなければキリマンジャロ登頂も出来なかったし、現金もないままだっただろう。
最後にオフィスのリコメンドノートにこれまでのことを書いた。
たくさんの人の優しさに助けてもらい、そしてお金の価値を知った2日間であった。